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MREを食べてみた


このサイトを作ろうと思った理由
以前から戦闘糧食(コンバット レーション)には興味があり、1987年ごろには東京のミリタリーショップで購入した米軍のレーション(1)を食べたり、1991年ごろにはイギリスで購入した英軍のレーション(2)を食べたりしていた。最近「ミリタリー・グルメ 戦闘糧食の三ツ星をさがせ!」という書籍を読み、また戦闘糧食を食べてみたくなった。しかし戦闘糧食を食べたというWebサイトは見つかっても、写真が小さかったり、詳細な情報が得られなかったのが寂しかった。そこで自分で糧食を手に入れて、それをレポートしようと思い立った。
(1) 一食分がボール紙の箱に収められており、メインディッシュもクラッカーも缶詰だった。まあまあの味だった。
(2) こちらも缶詰だった。メインディッシュはあまりにまずく、一口食べただけでそれ以上は食べられなかった。
MREの入手
ヤフオクで検索すると米軍のMRE(4)が安価で出品されていた(5)。説明を読むと2004年までOKとあり、No.1〜12入り(ただし開封済みで一部メニュー重複あり)を8,000円で購入した。
(4) MREとはMeal, Ready to Eatの略である。
(5) 出品者はm2marukaさん。落札前の質問、取引完了後の質問にも非常に親切丁寧に答えてくださり、感謝している。
開封編
かなり厚い紙製のボックス(1)(2)の周りに、さらに同素材の帯(3)(4)(5)(6)をかけてある。かなり荒い扱いにも耐えられそうだ。
(1)華氏0度(摂氏-17度)以下では乱暴に扱うなとの指示がある。食品が凍った状態では大きな力がかかると破壊されるためだろう。
(3)m2marukaさんによれば、下のほうに見える3-99が製造年月ではないかとの事である。
(5)m2marukaさんによれば、INSP/TESTの09-02すなわち2002年9月が通常の払い下げ時期ではないかとの事である。
メニュー内容
No.1 Grilled Beefsteak
No.2 Boneless Pork Chop
No.3 Beef Teriyaki
No.4 Ham Slice
No.5 Grilled Chicken
No.6 今回は入っていなかった。
No.7 Chicken with Salsa
No.8 Chicken and Rice
No.9 Beef Stew
No.10 Chili and Macaroni(今回は2個入っていた)
No.11 Pasta with Vegetables (Vegetarian)
No.12 Bean & Rice Burrito(Vegetarian)
No.11と12のベジタリアン メニューに大きくVegetarianと表記してあるのが、いかにもアメリカ製らしい。
メニューによってかなり重量にばらつきがある事を発見した。13個全部を計量したわけではなく半分の6種類しか計量しなかったが、最も軽かったのがNo.8および10で605g、最も重かったのがNo.2の775gである。
No.10を開封してみる。袋を見ると「Peelable Seal」と書いてある。日本語にすると「剥く事ができる密封包装」という事か。たしかに写真でも分かるように、袋を溶着したラインが中央部で山型になっている。これは袋の端をつまんで開こうとする応力を集中させるためのものであろう。ハサミやナイフがなくても開ける事ができるようにだろうか。実際試してみると、やはり山型になっているところから袋が破れ、きれいに開ける事ができた。
これが一食分全ての内容である。
以下、重量は全てパッケージ込みで軽量した結果である。
Chili and Macaroni (チリアンドマカロニ、中のレトルトバッグを取り出して重量を量ったところ、254gだった。開封しやすいように、通常のレトルトバッグのように切れ目が入っている。しかも食べている時にもう一度切って短くできるようにもう一組切れ目が入っている。)
Vegetable Crackers (46g: 2枚入り。)
Cocoa Bevarage Powder (46g: ホットでもコールドでもOKらしい。Fortifiedと書いてあり、ビタミン類が添加されている。)
Lemon Poppyseed Pound Cake (83g)
Peanut Butter (46g: これをつけて食べるのはクラッカー二枚だけなので、多すぎるんじゃないだろうか。これもFortifiedとされており、ビタミンが添加されている。また、開封前にこねるようにとの注意書きがある。油分が分離した場合を考慮しての注意書きだろう。)
上記全てには、パッケージに詳細な成分が表記されている。
レーション ヒータ(酸化鉄を水と反応させて発熱させる。)
スプーン (全長約18 cm)
小物のパック(塩、砂糖、タバスコ、ティーバッグ、チューインガム、マッチ、お手拭き、粉末クリーム、トイレットペーパー) 米軍でもいまだにタバコを支給するのだろうか。レーションを温めるのに火をおこす必要がない以上、マッチは不要のような気がする。タバスコの容器は小さくて結構かわいい。砂糖は4gと少なめだ。
メインディッシュの箱の裏側にはなかなか興味深い記述があったので、簡単に訳してみる。
「体に必要な十分のエネルギを摂取しないと、体力、耐久力、精神力、注意力が低下する。一日に三食取る必要がある。ひとつのMREパッケージは1200-1300カロリー、成人男性が一日に必要とするエネルギは、2800-3600カロリーである。全てを食べる事ができない場合、バランスを取るために複数のアイテムを食べる、炭水化物を先に食べる、移動中に食べられるスナックを取っておく事。」
食べてみた
2002/02/16
上記で開封したNo.10を食べてみる事にする。
まずはベジタブル クラッカーとピーナッツバターを食べてみた。
アルミラミネートのパッケージを開けようとすると、普通の日本のボンカレーのパッケージのような力の入れ方では開かない。頑丈にできている。気持ち2倍くらいの力をかけてようやく開く事ができた。クラッカーは大きなサイズで2枚重なって収納されていた。折れ目にそって4つに割り、まずはそれだけで食べてみる。写真で赤く見えるものは、おそらく練りこまれた野菜であろう。特に味はつけていない。ピーナツバターやメインディッシュを一緒に食べる場合には好都合だ。しけている事もない。パリッとしている。次に、ピーナツバターをしぼり出して食べてみる。ピーナツバターも、甘いスプレッドではなく塩味のする本物のピーナツバターだ。チャンクはなし。山歩きなどして適度に体を動かした後に、休憩しながら飲み物と一緒に食べると良い感じだ。当然の事だが、飲み物なしでは辛い。私も食べた後にお茶を入れて口の中をさっぱりさせた。
次はメインディッシュのチリアンドマカロニだ。
ヒータで温めると後の処理がめんどくさそうなので、普通のレトルト食品のように鍋で温めた。興味深いのは、外側のパッケージは砂漠での作戦行動を意識したベージュ系の色であるのに対して、このメインディッシュのパッケージは昔ながらのオリーブグリーンであることだ。5分ほど温めてから、ご飯茶碗に入れて食べてみた。ビジュアルは余り良くないが、期待する方がおかしいだろう。第一レトルトのミートソースだってこんなもんだ。微かに鼻に付く匂いがするが、気のせいかも知れない。アメリカ製のレトルトってこんな匂いがしたような気がする。だからMRE特有という訳でもないだろう。そのままで一口食べてみる。チリパウダーの味、ざく切り肉とマカロニの食感。悪くない。しかし、やはりタバスコを振った方がおいしいと思う。というわけでタバスコを振りかけて食べ始める。うーん、これだけだとちょっと味が濃すぎる。パンやクラッカーを一緒に食べるとちょうど良い感じだ。しかしクラッカーはピーナツバターと一緒に食べてしまっている。仕方がないので、単品で食べきった。
食後にチューインガムを噛んでみた。
特に書く事も思いつかない。普通のペパーミントガムだ。しかし保存性を良くするためか、噛みはじめが硬い。それとも単にアメリカ製だから硬いのか。
食後しばらくして紅茶を飲んでみた。
はっきり言ってこれはマズイ。以前大豆か何かで作った代用コーヒーを飲んだ時と同じような感じである。紅茶の香りがぜんぜんしない。紅茶色した変な味の飲み物だ。3年以上も経過しているのだから仕方ないか。変質しないようなパッキングの方法があるのではないか。でも平均的アメリカ人は、どうせ紅茶など飲まずに捨ててしまうのかも知れない。
2002/02/17
翌日軽めの朝食を取った3時間後、ちょっと小腹が空いてきたかな、というタイミングでココアドリンクを飲んでみた。おいしい。森永等のお湯で溶かすだけのココアよりコクがあっておいしい。ただ甘さがアメリカン、つまり非常に甘かった。
昼食後近所へ買い物に行った後、小腹が空いてきたので、いよいよ最後のアイテム、パウンドケーキに挑戦してみた。真空パックでつぶれているんじゃないかと思ったが、全くそんな事はなく、やわらかく保存されていた。レモンの爽やかな香り、ケシの実のプチプチとした感触なかなかおいしい。同封の脱酸素剤(?)の「食べるな」という注意書きは英語、フランス語、スペイン語、日本語が併記されていた。民生品そのままの流用は、これと紅茶、それからお手拭きぐらいであろうか。タバスコには、「Packed for MRE」と表記されていた
一食分食べてみての感想
平均的な日本人の一回分の食事としては多いと思う。作戦行動中でかなり体力を使う場合にはちょうど良いのかも知れないが。
民生品がそのまま流用されているのは意外だった。
飢えたエチオピア人にも拒絶されるという汚名にも関わらず、かなりおいしく食べられた。
また別のメニューを食べるたびに報告したいと思う。
2002/02/19
No.8 チキンアンドライスを開封した。スナックはFudge Brownie、ドリンクはパウダーオレンジだった。ベジタブル クラッカーとピーナツバターは同じである。夕食にメインメニューを食べてみようかと思ったが、今ひとつ食指が動かないのでカップ焼きそばに逃げた。(^^)
その代わりと言ってはなんだが、食後にFudge Brownieを開けてみた。まあこんなものだろうと言う外見だ。食べてみると、結構うまい。しかし、やっぱりすごく甘い。と言うわけで、半分食べた残りは明日の朝食にでもしようと思う。
2002/02/22
今日はニャンニャンニャンで猫の日である。それはさておき、No.8に入っていたオレンジドリンクを飲んでみた。成分表を見ると、ビタミンA、C、カルシウムが添加してある。開封してみるとこんなパウダーが入っていた。固まっていたりする事はなく、サラサラだ。水に溶かすと案の定ステキな色に、、、。味の方は、見かけ通りだった。昔懐かしい、駄菓子屋の粉ジュースの味である。
2002/10/04
前回の更新から8ヶ月も経ってしまったが、No.8 チキンアンドライスを食べてみた。ううむ、やっぱり見かけはNGである。おいしそうとは思えない。今回も鍋で温めたが、嫌な匂いはない。食べてみるとわりと淡白な味である。コショウを振ったがイマイチピンと来ない。そこで同封されているタバスコを振りかけてみる。イイ!もちろん個人の嗜好の問題だと思うが、タバスコをかけるととっても良い感じになった。
このページであるが、光栄な事にこのスレ(過去ログ)で紹介していただいた。テンプレにも載せて頂き恐縮している。10/04現在進行中のスレはこちらである。
上記のスレにも参加されているMさんの、こちらのサイトがすごい。詳細なレポートもさることながら写真が非常にきれいである。戦闘糧食に興味のある方はぜひ訪れるべきである。今後は米軍以外の糧食のレポートもされるようで、ますます楽しみである。
2002/11/14
今日はメニューNo.1を開封してみた。グリルドビーフステーキである。パッケージには「Chopped and formed」と書いてある。つまり細かくザク切りにした後プレスして成形したのだろう。多分マクドナルドのチキンナゲットの肉と同じ。ステーキのパックの裏にはいつもの主食同様「ちゃんと食べないと力が出ないぞ」との記述があったが、付け合せのメキシカンスタイルライスのパッケージの裏には、MREに含まれる各アイテムごとに添加されたビタミンやミネラル類の説明があった。
今回もヒータを使わず鍋でレトルトパックを温めた。興味深いことにステーキとライスでパックの色が違っている。温めた後プレートに取り出して食べた。ステーキのパックからは少し汁が出てきたが、プレートに盛ってライスと一緒に食べる関係上、汁は捨ててしまった。MREの主食で見かけがゲロっぽくないのは初めてだ。ステーキには焼き目もつけてあり、おいしく見せようとする努力が感じられる。食べてみると、ステーキはあっさりとした塩味で、メキシカンライスの方が濃い目の味付けで一緒に食べるとなかなかイケる。でもやはり途中で独特の匂いが鼻に尽き、タバスコを振りかけてしまった。
食後には、このパッケージに付いてきたインスタントコーヒーを飲む事にした(パッケージ裏)。ところが、これを開封したところダメになっていた。写真を撮ったが、かなりグロいので警告しておく(グロ写真)。仕方がないので普段飲んでいるインスタントコーヒーを、MRE付属のクリーマーと砂糖で飲む。コーヒーはあんな状態だったのに、クリーマーは何ともない。サラサラである。コーヒーは民生品そのまま、クリーマーは専用パッケージ品という違いから来るのだろうか。かなりピンボケしてしまったが、クリーマーの成分の写真である。乳製品を使用していないのは、長期保存に有利だからであろうか。
今回のドリンクはチェリーフレーバーである。成分にチェリーは含まれていないようである。パッケージの表には12オンス(キャンティーンカップ半分)の水に溶かせ、と書いてある。液量のオンスってアメリカとイギリスで違うんだよな、とかブツブツつぶやきながら英語の辞書を引き、アメリカでは1オンス=29.6ccである事を突き止め、グラスで溶かしてみた。うおっ!出たよ、という迫力である。隣に置いたタバスコのキャップの色に近い、、、。ところで、このドリンクの作り方で、浄水剤を入れたばかりの水(直訳: 浄化したばかりの水)の場合、30分待ってからドリンクパウダーを加えるように指示されている。
次はビーフスナックである。開封してみると、あれスリムジム(公式サイト)じゃん。ものすごくしょっぱい。頭がしびれるくらいしょっぱい。チェリーフレーバーの毒毒ドリンクがぶ飲みである。
表に何の説明もないパックはTootsie Roll(チョコレートキャラメル)であった(公式サイト)。食べてみると、変なフレーバーがする。悪くはなっていないようだが、記憶にある味とは違う。気のせいだろうか。東南アジアで嗅ぐお香の匂いのようなフレーバーがかすかに混じっている。ちなみにパッケージを開けると、こんな感じである。個別包装の場合のように一個ずつ切れていない。溶けてくっついてしまった訳ではない。
残るはクラッカーとピーナツバターであるが、すでに報告済みであるので省略する。
2003/03/10
今回はドリンクのみ飲んでみた。
まずアップルドリンクである(パッケージ)。市販品そのままのようである。パッケージを開くとさらさらのままだったので、安心して水に溶かした。一口飲んで「なんじゃこりゃあ!」と松田優作状態になってしまった。パッケージにあるようにアップルジュースにシナモンフレーバーを加えた味を予想していたのだが、見事に裏切られた。究極にインチキ臭くした味のアップルガムを水に溶かして飲んだような異様な味だ。生まれて初めてルートビアやジンジャービアを飲んだ時の衝撃に並ぶ不味さだ。
次はアイスティーだ(表、裏)。こちらもさらさらのままだったので安心して水に溶かした。うん、これはOK。問題なし。ネスレなんかの粉末のインスタントティーそのままだった。「甘くて酸っぱいレモンティー」(by シーナ&ザ・ロケッツ)と歌いながら無事飲みきった。